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2013年05月28日

ゲストが教えてくれたこと


《ゲストが教えてくれたこと》


この物語は、一本の電話から始まりました。

台湾の首都:台北から、西に車で約一時間ほど走ったところに桃園があります。

中国大陸から入植した客家人が、

家の周りに桃の木を植えたことから 「桃園」

という名が付いた街です。


ある朝、この街のレストラン「全家福桃園」、

通称「カモ家族」に掛かってきた電話を取ったのは、

スタッフのユンチンさんでした。



「こんにちは。

4月下旬に結婚披露宴を予約したいのですが、

まだ席はありますか?」

とフイさんからの相談の電話。


二日後、フイさんが店に来ました。

そして、その時初めてフイさんは、

12年前に離婚した夫、シースーさんと

もう一度結婚をすること、

でも彼は現在病気で車椅子であること、

それも看護師が付き添わなければならないほど

重病であることを打ち明けたのでした。



フイさんは、少しづつ事情を話してくれました。

フイさんとフイさんの元夫、シースーさんは中学時代からの幼なじみ。

結婚の話が出た当初、「家柄が釣り合わない!」と、

両方の親から大反対されました。

でもそれを押し切って結婚に踏み切ったのです。

フイさんが21歳の時でした。


しかし、5年たっても子供が出来ず、

夫の家族からは非難の声が上がります。

夫の母からは、ついに二号さんを入れる

という話まで飛び出しました。

さすがにこれは、夫が頑として受け入れませんでしたが、

養子をもらうことになりました。

その間のごたごたに疲れた二人は、

不本意ながら離婚という道を選択します。



「しかし、神様はいじわる・・・」

皮肉なことに、離婚後、

フイさんは自分が妊娠していることに気が付きます。

三か月目でした。

二人で訪れたクリニックで、

シースーさんは、赤ちゃんの心臓の音を聞き、

そして滂沱の涙を流します。

それを見てフイさんは、

「私たちは離婚はしたけれど、一生シースーさんと一緒に生きていく。絶対に離れない!」

と決心をしたのです。


その後、彼らは二人の可愛い娘にも恵まれて、

更に力を合わせて幸せになろうとしていた矢先、

シースーさんを病が襲います。


心臓動脈剥離症。

シースーさんは、この病気が元で、

軽症ながら植物人間になってしまいます。


この二年間、フイさんは低所得者向けの福利金と友人の助けによって生計を立て、

娘達を育てながらシースーさんの看病を続けてきました。


その努力は並大抵のものではありません。

先生の診断によると、再度、手術の必要がありますが、

その手術には命の危険もあると言われました。

つまり家族の同意がいるということです。

しかしシースーさんの家族は、誰も同意書にサインをしません。

「万が一の時、責任は取れない」 というのです。

ここであきらめたとしても致し方ない状況です。

でも、フイさんはあきらめませんでした。


「手術して治ってもらいたい」

では 「私が責任を取ります」


でも、今の自分は家族じゃないから手術同意書にサインが出来ない…。


フイさんは決心します。


「私、彼の妻に戻りたい」

「そして彼のためにサインしたい」

「私はもう一度あなたの嫁になりたい」


フイさんは、医者や議員、役所の人達、

そして友人達の助けを得て、病室でついに

二度目の結婚登録を実現させます。

「経済的な余裕はないけれど、

どうしてもこれまでお世話になった方達を宴会に招待して、感謝したい。

私たちは皆さんの支えがあったからここまで乗り越えられた。

その恩に対して私の感謝を伝えたい」



フイさんのこの想いを聞き終わって、

ユンチンさんはとても感動しました。

と同時に、心の底から、

「彼女たちに協力したい。

私達カモ家族で、必ずフイさんの願いを叶えてあげたい。

思い出に残る披露宴をしてあげたい」

という熱い思いが湧きあがりました。


そして、このストーリーとユンチンさんの思いを聞いた

フロアから厨房にいたるまでの、全スタッフが動き出しました。


フイさんの

「感恩の披露宴」

を成功させたい!

フロアの担当者は皆で力を合わせて会場の飾りを作り、

厨房では心のこもった料理の準備をします。

後から気付いたことですが、

この時、みんなの思いは完全に一つになっていました。



初めは自分たちがフイさんに喜び、感恩を与えようとしていましたが、

一番先に喜び、感恩をもらったのは自分たちだったことに気付きます。


「与えることが受け取ること!」


この飲食業という仕事の意義を、

フイさんがカモ家族に教えてくれました。


そして心を一つにして達成する喜びを、

カモ家族は味わうことが出来たのでした。


(『小さな会社で生まれた 心があたたまる12の奇跡』)


与えることが受け取ること!

この言葉を感じる事が出来た時人は必ず変わるのではないでしょうか?

求める事を辞め

与える事に喜びを感じると思います

心を一つにして与える事の素晴らしさを感じることができる職場

素敵ですね(^^)


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Posted by 毎日コツコツ(霜鳥) at 15:29│Comments(0)今思った事 考えた事
 
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