2012年10月01日
トメさんの伝えていって欲しい事
《伝えていって欲しい事》
知覧の富屋旅館の鳥濱初代さんの話の中から
終戦直後のことだろうか、一人の青年が「何か食べ物を分けてほしい」と富屋食堂にやってきた。食べ物がない時代たっだ。トメさんが少しばかりの食料を分けてあげると、青年は「今のこのご時世に何の役にも立ちませんが、僕の気持ちです」と言って、お礼に本を2冊差し出した。その本が今も旅館に展示してある。
トメさんはその本を初代さんに見せながら、こう言った。
「役に立つとか立たないではないんだよ。大事なことは相手を思う心だよ。これを伝えていかなければならないんだよ」
お互いがお互いを思う気持ち、これをトメさんは「思い合い」と言った。
「思いやり」は、片方が高い所に立っていて、そこから弱い人、貧しい人に思いを施すという印象があるが、「思い合い」は、双方が相手を思い合って初めて成り立つものだ。
「相手を思い合う心があれば、些細なもめごとや争いなど起きない。ましてやそれが戦争に発展することはない。思い合うことの大切さを伝えていって欲しい」
特に、トメさんが口を酸っぱくして言っていたのは、「伝え間違ってはいけないよ」ということだった。トメさんは知っていたのだ。間違って伝わると、「あの子たち」が浮かばれない事を。
しかし、実際にはトメさんの想いをよそに、多くの人が戦争を思想論で捉え、対立してしまう。「おまえの考えは右だ、左だ」と。
「そんなことを論じるよりも、あの子たちがどんな未来を夢見ていたのか。そのことに思いを馳せて論じて欲しい。『物言わぬ空気』に触れて、その思いを受け取る力がなかったら、何の意味もないんです」と初代さん。
直接、特攻隊員と触れ合い、語り合ったトメさん、彼らの印象を一言でこう語っていたそうだ。「あの子たちはとっても優しかった。神様、仏様みたいだった」
思い合う心があれば、こんなふうに思えるんだなと思った。
みやぎ中央新聞(9月24日)より
編集長 水谷謹人
戦争で多くの人がなくなりました
それも日本の国の為に
その一人一人の思いを私達は知る必要が有ると思います
目で見て、感じて、考えて、想像して
そして、この平和な毎日に感謝する心を、忘れてはいけないと感じました。
Posted by 毎日コツコツ(霜鳥) at 13:54│Comments(0)
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