2012年04月26日
乞食の天使
「乞食の天使」
いつもよく働く靴屋のもとへ、あるとき、天使が現れました。
乞食の姿になって・・・。
靴屋は乞食の姿を見ると、うんざりしたように言いました。
「おまえが何をしにきたかわかるさ。
しかしね、私は朝から晩まで働いているのに、
家族を養っていく金にも困っている身分だ。
ワシは何も持ってないよ。
ワシの持っているものは二束三文のガラクタばかりだ」
そして、嘆くように、こうつぶやくのでした。
「みんなそうだ、こんなワシに何かをくれ、くれと言う。
そして、いままで、ワシに何かをくれた人など、いやしない・・・」
乞食は、その言葉を聞くと答えました。
「じゃあ、私があなたに何かをあげましょう。
お金にこまっているのならお金をあげましょうか。
いくらほしいのですか。
言ってください」
靴屋は、面白いジョークだと思い、笑って答えました。
「ああ、そうだね。じゃ、百万円くれるかい」
「そうですか、では、百万円差し上げましょう。
ただし、条件が1つあります。
百万円の代わりにあなたの足を私にください」
「何!? 冗談じゃない!この足がなければ、
立つことも歩くこともできやしないんだ。
やなこった、たった百万円で足を売れるもんか」
乞食はそれを聞くと言いました。
「わかりました。では、千万円あげます。
ただし、条件が1つあります。
一千万円の代わりに、あなたの腕を私にください」
「一千万円・・・!?
この右腕がなければ、仕事もできなくなるし、
可愛い子どもたちの頭もなでてやれなくなる。
つまらんことを言うな。
一千万円で、この腕を売れるか!」
乞食はまた口を開きました。
「そうですか、じゃあ、一億円あげましょう。
その代わり、あなたの目をください」
「一億円・・・!?この目がなければ、
この世界の素晴らしい景色も、
女房や子どもたちの顔も見ることができなくなる。
駄目だ、駄目だ、一億円でこの目が売れるか!」
すると、乞食は靴屋をじっとみつめて言いました。
「そうですか。
あなたはさっき、
何も持っていないと言っていましたけれど、
本当は、お金には代えられない価値あるものを
いくつも持っているんですね。
しかも、それらは全部もらったものでしょう・・・」
靴屋は何も答えることができず、
しばらく目を閉じ、考えこみました。
そして、深くうなずくと
心にあたたかな風が吹いたように感じました。
乞食の姿は、どこにもありませんでした。
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中井俊已著
[幸せに気づく]より出典
ゆうの100人の1歩より
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私達は既にお金では図ることの出来ないものを沢山与えられているんですね
しかし、ついつい「あって当たり前」と思って日々過ごしているんです
既に頂いている大切な体
そんな事に気付かせて頂けました
Posted by 毎日コツコツ(霜鳥) at 11:49│Comments(0)
│今思った事 考えた事