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2012年05月18日

金のスリッパ


【金のスリッパ】


あと4日でクリスマスという日。

近くのディスカウントストアの駐車場は車で一杯でしたが、

私はまだクリスマス気分にはなれませんでした。

店に入ると気分がもっと滅入りました。

最後の買い込みに来た客とそのカートで、

通路がすごく混雑していたからです。

よりによって、何で今日、町に来たりしたのでしょう?

それを後悔しました。

頭だけでなく、足も痛みだしました。

プレゼントなんていらないと言っていた人の分も

買い物リストに入っていました。

もし本当に何も買わなかったら傷つく事でしょうから。

何不自由ない人たちに、法外な値段の物を買う。

私にとって、プレゼントの買い物は、

おせじにも楽しみとは言えませんでした。 


あわただしく、最後の品々をカートに一杯詰め込み、

長いレジの列の最後につきました。

一番人の少ないところを選びましたが、

それでも、まず20分は待たされそうでした。


私の前には二人、小さな子供がいました。

5歳くらいの男の子と、その妹のようです。

男の子の上着はぼろぼろでした。

短すぎるジーンズから、足よりもずっと大きい、

これまたぼろぼろのテニスシューズが突き出ていました。

あかで汚れた手には、数ドル紙幣が握られています。

女の子の方も兄と同じような服装でした。

頭には巻き毛が絡み合っていて、

夕食の残りがまだ顔についたままです。

女の子は、金ぴかのスリッパを持っています。


店中に響くクリスマス音楽に合わせ、

女の子も、調子外れながらも嬉しそうにハミングしていました。


やっとの事でレジの順番が回って来ると、

女の子は注意深くそのスリッパをカウンターに置きました。

宝物のように扱っています。


店員が金額を告げます。


「6ドル9セントよ。」


男の子が、しわくちゃになった紙幣をカウンターに置き、

それからポケットの中を探りました。

やっとの事で3ドル12セントを出すと、

「これ戻さなくちゃだね」と、堂々と言いました。


「また来ます。たぶん明日。」


その言葉を聞いて、小さな女の子が泣き出しました。


「でも、イエス様はこのスリッパが気に入るはずだわ。」


「ああ、今日は帰って、もう少し働こう。

泣くなよ。また来れるんだから。」 


そう言って、兄は妹を慰めました。


ぱっと、私は店員に3ドルを渡しました。

子供たちは自分の順番をずっと待っていたのです。

それになんと言っても、今はクリスマスです。

すると、小さな腕が私を抱きました。


「ありがとう。」


「イエス様はきっとそのスリッパを気に入るっていうのはどういうことなの?」


と私は聞きました。


男の子が、


「僕たちのお母さんは病気なんだ。もうすぐ天国へ行く。

クリスマスまで待たずに、イエス様の所に行くだろうって、お父さんが言ってた」


と答えました。



女の子も、


「日曜学校の先生は、天国の道は輝く金でできてるって言ったの。このスリッパみたいに。

これで、同じ金色の道をママが歩くのって、きれいでしょう?」



彼女を見つめる私の目には見る見るうちに涙があふれてきました。


「そうね。確かにそうだわ」


と私は言いました。


この子供たちを使って、真に与えるという霊を思い出せてくれたことを、

私は静かに、神に感謝しました。


輝く未来ビトより
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Posted by 毎日コツコツ(霜鳥) at 12:32│Comments(0)感動話
 
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