2012年09月02日
色々なパラシュート
《あなたのパラシュートを詰めるのは誰?》
アメリカの海軍兵だったチャールズはジェット・パイロットとしてベトナム戦争に参戦していた。
優秀なパイロットだった彼は数々の作戦をこなしたが、
75回目の出撃で敵の地対空ミサイルに撃墜された。
そして落ちていく中、危機一髪、パラシュートで脱出に成功した。
その後、敵に捕まり、苦しい6年間を監獄で過ごしたが、ベトナム戦争が終わって、
チャールズも無事に解放された。
そして彼は自分の経験から学んだあることを講演して歩くことになった。
それはある日のこと。
彼が妻と二人でレストランで食事をしていると、
別のテーブルにいた男が彼のもとにやってきてこう言った。
「あんたチャールズじゃないか!
空母キティーホークからジェット機で出撃して行っただろう。
撃墜されたんじゃなかったのか?」
チャールズは驚いて、
「いったい全体あなたは、なぜそんなことを知っているんだ?」
すると男は、
「あの時、おれがあんたのパラシュートを詰めたんだよ
どうやらちゃんと開いたようだな」
「もちろんだ。もしあの時あなたのパラシュートが開かなかったら、
私は今こうしてここにいられるはずがない!」
その夜チャールズは一睡も出来なかった。
あの男のことが頭から離れなかったのである。
彼は自分に問いかけていた。
あの男は空母の上でどんな格好をしていたのだろうか。
おそらく他の水兵と同じように白い帽子を被り、背中に四角い背襟をつけて、ベルトボトムのズボンを履いて・・・・。
同じ海軍とはいえ、あの男は一水兵で自分はエリートパイロットだった。
彼とも何度か顔を合わせていたに違いない。
しかし、「おはよう」とか、「元気か」と自分から声をかけたことが一度でもあっただろうか。
あるいは彼らの仕事に対して感謝の気持ちを伝えたことが、果たしてあっただろうか。
チャールズは今まで考えることすらなかった、ある光景を思い浮かべていた。
何十人という水兵が、船底に近い作業場の長いテーブルに向かって、毎日、何時間も
黙々とパラシュートを折りたたみ、丁寧に詰めている姿を。
言葉を交わすことすらないパイロットたちの、しかし間違いなくその運命を左右する仕事を、彼らは黙々とやっていたのだ。
チャールズは言う。
人は皆、気づかないうちに、誰かに様々なパラシュートを詰めてもらっている。
物理的なパラシュートだけではなく、
思いやりのパラシュート、
情緒的なパラシュート、
そして祈りのパラシュートも・・・・。
チャールズは思い返していた。
落ちていくジェット機の中で、必死の思いでパラシュートを開いたこと。
そして投獄されてからの苦しい年月の間、家族のことや友人たちを思うことによって、
どれほど自分の心が勇気づけられたのかを・・・
ゆうの100人の1歩より
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私達は気が付かないけれども沢山の優しさに助けられているのでしょうね
Posted by 毎日コツコツ(霜鳥) at 21:03│Comments(0)
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