2013年04月11日
見えない信頼
《見えない信頼》
ある日、東京のリッツ・カールトン・ホテルの予約センターに
一本の電話がかかってきました。
そのお客様は、
ふるさとの年老いた母親が上京するのに際し、
ぜひ、リッツで泊まらせたいとおっしゃいました。
「母親は、若い頃、
東京の浜松町界隈で仕事をしていました。
これが最後の東京見物になりそうです。
娘として、母の誕生日に東京での滞在をプレゼントしたい」
そのまま、予約を受け付けるのではなく、
電話を受けた担当者は、
その娘さんにさらに話を聞きました。
・・・・・すると、
なぜ、そのお客様が、リッツを望まれたのかがわかりました。
ある雑誌に、
「東京タワーが見えるホテル」
として紹介されていたからです。
リッツ・カールトンでは、予約の電話を受けた際に、
15分から20分も時間をかけることがあります。
その会話の中から、
ホテルに対してお客様が何を求めていらっしゃるかを
可能な限り先読みするためです。
調べてみると、
あいにく、その日は、東京タワーの見える部屋は、満杯でした。
「東京タワーの見える部屋」
と言って指定されたわけではありません。
でも、予約係は、こう答えたそうです。
「申し訳ありません。
お客様にお薦めしたいお部屋は、
あいにくすべて埋まっております。
しかし、芝公園にご希望にぴったりのホテルがあります。
そのホテルの予約担当に知り合いがいますので、
そちらの方からお客様にご連絡させていただいてもよろしいでしょうか。
お母様にお喜びいただけるお部屋をご用意して下さると思いますよ」
そして、そのお客様がお泊りになる当日、
リッツ・カールトンのグッズと一緒に、
次のようなメッセージを添えて届けました。
「このホテルのお部屋からは
東京タワーだけではなく、
リッツ・カールトン東京も見えますので、
手を振ってくださいね。」と。
心からお客様に喜んでもらうとはどういうことか。
そのお客様にとって最高の時間を過ごしていただくために
自分にできることは何か。
心の制約を外して考えれば、
お客様の視点に立った提案ができます。
今回はリッツ・カールトンをご利用されないという結果になっても、
お客様との間には見えない信頼が生まれています。
それを信じてお客様に尽くすということ。
一見遠回りのようですが、
それがお客様との絆を築いていく近道でもあるのです。
「リッツ・カールトン一瞬で心が通う“言葉がけ”の習慣」より。
高野登著
輝く未来ビトより
登録は空メールで
00576250s@merumo.ne.jp
目先の結果を求めてしまうと
相手の本当の思いが見えなく成ってしまう
阿川さん
の仕事術と同じだな〜と感じました
Posted by 毎日コツコツ(霜鳥) at 09:32│Comments(0)
│勉強になります