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2012年02月12日

最初で最後のラブレター


【祖父の手紙】


僕の祖父は、

口うるさい頑固じじい。

よく怒鳴っていた。



祖母に対しても、

「茶〜まだか!!」とか「勝手なことするな!」

と、とにかく怒鳴っていた。


そんな祖父が脳梗塞になり

入退院を繰り返すようになった。


僕たち家族は医師から余命があとわずかであることを知らされていたが、

以前から本人の希望通り、祖父には告知しないでいた。


「はやく元気になってね」

合言葉のように帰り際にそう言った。


しばらくして祖父は亡くなった。


祖母は

「うるさい人がいなくなって清々した」

なんて言っているけど、


一人で泣いている姿を何度もみた。


四十九日が過ぎたある日、

父が祖母に一通の手紙を手渡した。


達筆だった祖父の字とは思えない程

よれよれで力ない字で書かれていた。



「おばあちゃん元気かい?

わしゃ、そろそろお迎えがくるようじゃ。


あんたと共に過ごした時間は

永いようで短い60年


口うるさい男ですまんかったのう。


あんたは嫌だって言うかもしれんが、

また機会があればいっしょに暮らしたいものです。


あんたと一緒に過ごした時間が尊い。


有難うございました。」



祖父が書いた最初で最後のラブレターだった。



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Posted by 毎日コツコツ(霜鳥) at 10:58│Comments(0)感動話
 
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