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2011年08月24日

愛する・・・

感動してください


ーーーーーーーーーーーーー

ある時、


大学時代からの親友に呼び出された。



彼女同伴で現れた彼は、



「実は、俺さ


来年の春に結婚するんだ。」



そう話し始めた友人は、



自分の学生時代の話を始めた。






俺が通っていた小学校さ、



田舎なもんで幼稚園から中学まで



みんな同じクラスなわけ。



もうみんな兄弟みたいな感じさ。



その中に一人、知恵おくれの子がいたんだ。



中学入っても一人だけ



小学校1年生の勉強してたんだよ。




おまけに貧乏だったから、



みんなから仲間はずれにされて、いじめられてたんだ。



でもさ、俺そんなの嫌だったし、



休み時間はいつもそいつと遊んでたわけ



遠足の時も、そいつの弁当のおかずは、



ハムが2枚入ってるだけでさ、もちろんおやつも持ってきてないんだよ。



だから俺は、母ちゃんに頼んでさ、



そいつのおかずとおやつも持っていったりして。




母ちゃんは喜んで用意してくれたし、


何より、そいつの喜んだ顔が嬉しくてさぁ。




そんなことしてたら、


いつの間にか・・・・


俺までは仲間外れにされちまってさ・・・




そんなわけで、



俺もそいつと距離を置くようになって・・・



でも、何度も何度も突き放しても


そいつは俺んとこに来るわけよ。




中学に入って、部活でバスケ始めたら



そいつも俺の部活に入ってきたんだ。



知恵おくれだし、顧問も躊躇してたんだけど・・・



そいつの親が懇願してる姿を見てたら、



無性に悔しくなってきて、



気が付けば、土下座で懇願してんの



俺も。




「やっぱ俺、こいつの友達だわ。



仲間はずれ上等だよ!」




って、吹っ切れた。




そいつの親がすごく喜んで、



涙流して俺に感謝してくれたんだ。



久々に見たそいつの笑顔だったよ。






その後俺は、高校に入ったんだけど、



そいつの学力では高校に行くことはできず・・・・



俺も高校生活の忙しさから、



それ以来そいつとは、逢うことはなかったんよ。



高校卒業して、大阪の大学に行き出して、



正月に里帰りしたときにさぁ、



そいつの母親が訪ねてきたんだよ。




「○○くん、


久しぶり、元気だった?」





「はい!元気っす!



彼は元気ですか?」





「・・・・・・・・・」







「・・・○○君には本当に感謝してるんよ!」



ありがとう・・・・を伝えたくてね」





「は・・・?



おばさん・・・・なんですか?いきなり・・・」





「昨年の冬、12月9日に、


コツ肉腫を患って・・・・



転移で、どうすることもできず、



苦痛の闘病生活の末に・・・・



彼は一人・・・・



天国に旅立ったの。」






高校時代に俺の家を訪ねてこないことを



不思議には思っていたけど、



俺もそいつを訪ねることはしなかった。



俺が馬鹿みたいに、



高校生活に浮かれていた時、



そいつは必死に、


苦痛に耐えて、病気と闘っていたなんて・・・





俺は何も知らず・・・・





葬式は、身内だけの密葬だったらしい。



彼の母親は、俺に知らせようと思ったみたいだけど、



一度しかない高校生活を送る俺に、



迷惑や心配を掛けたくなかったという。




何も知らなかった自分が情けなくて、



何もしてやれなかった自分が悲しかった。



彼は、また俺とバスケをするんだと・・・




また俺と遊ぶんだと、




病床でいつも話をしていたという。




そんなことを知らないまま、



高校生活に浮かれていた俺。



おばちゃんは、泣きながら俺を抱きしめ・・・・



「○○くん、仲よくしてくれてありがとうね」



・・・そういった。




生まれて初めて気が狂ったように泣いた。




なりふり構わず、思いっきり。



おばちゃんの胸で泣いた。




家に戻り、中学の卒業文集を見てみた。




そいつのページには、たった2行だけど、



一生懸命書いたであろう言葉があった。






「○○くんと遊んだのが、いちばんたのしかったです」







そこには俺の名前があった。



彼の思い出の中には、



最後まで俺がいた。




「なんでもっと、遊んであげなかったんだろう。



一時とはいえ、なんで仲間外れを恐れて、



突き放したりしたんだろう。。



な・・・んで・・・もっと・・・・・・・




・・・なんで・・・もっ・・・と!!!」









そのまま友人はしばらく泣き続けた。




俺も友人の方を抱きしめ、泣いた。




友人の彼女は彼を慰める。




そして、友人は俺を呼び出した理由を話始めた。




「悪りい。辛気臭くなって・・・悪りい・・・




どうしても言っておきたくて・・・




俺さ、来年の春に結婚するんだ。



この娘と結婚するんだ。



絶対に幸せになろうって、



この娘と誓った。



この娘とさ、あいつの分まで幸せになるんだ。



この娘、



妹なんだ・・・



あいつの。



俺さ、息子になるんだ。



おばちゃんの。



もう一人の息子になるんだ。



そう言って、



友人と友人の彼女はとても幸せそうに笑った。



こんなに温かい涙を流したのは、



何年振りだろう・・・・






やがて、二人の結婚式で、




初めて新婦の母親(おばちゃん)を見た時・・・




幸せな笑顔と一緒に、



その胸には、19年で亡くなった息子の遺影があった。




遺影の彼は、母親の腕に抱かれ、



満面の笑みを浮かべていた。



とびっきりの笑顔で。



二人を祝福していた。




――――



一人ひとり、


人生いろいろ。



「星の王子さま」を描いた、


サン・テグジュペリの言葉に


こんな有名な言葉あります。








-*-*-今日の輝く言霊-*-*


愛する――それは


お互いに見つめ合うことではなく、


いっしょに


同じ方向を見つめることである


(サン・テグジュペリ)



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Posted by 毎日コツコツ(霜鳥) at 00:24│Comments(0)感動話
 
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