『子育て四訓』
一、乳児はしっかり肌を離すな
一、幼児は肌を離せ手を離すな
一、少年は手を離せ目を離すな
一、青年は目を離せ心を離すな
■「乳児はしっかり肌を離すな」
人間は、他のほ乳類と違って、生まれて一年間はほとんど受け身の状態である。
二足歩行ができるまでは、【母親の胸は子宮の延長】であり、
しっかりと抱かれることによって、赤ちゃんは
「守られている」「かわいがられている」と無意識のうちに感じ信頼し安心するのである。
それが、愛情や信頼、情緒的安定、他人を思いやる心など、人間形成の基盤になる。
■「幼児は肌を離せ手を離すな」
幼児は乳離れをするが、一気に離すのではなく、常に親がそばにいることで、
「心配しなくても良いよ」という安心感を与えることが大切だ。
ちょっと周囲への関心やいろんなものに目が向いていき、
自立させるための第一段階だ。
自立に目覚める幼児期は、完全な保護から社会に向いて一歩踏み出す時期といえる。
■「少年は手を離せ目を離すな」
少年は、友達との付き合いによって社会性が育つ時なので、
ここではしっかり手を離して、活動範囲を広げてやらないといけない。
ただし、いろんな危険があるので、目を離してはいけない。
この時期、子供が親に反抗したり、非行や問題行動に走ったり、
いろんなことで苦しい思いをするかもしれない。
しかし、それは成長の過程である。
親として逃げずに、子供に向き合って、共に成長することを心掛けるべきだ。
子供の荒れの背景には、親や友人に「こちらを向いて欲しい」というメッセージであることが多いのである。
■「青年は目を離せ心を離すな」
青年期にまでなると、完全に自立していくために、
自分なりの生き甲斐、進路を歩んでいく時であるが、
気持ちの上では、心を離してはいけないということである。
いずれにしても、子育ての最終的な責任は親にあるという基本を忘れてはならないのである。
山口県の中学校長や市教委の委員長などを歴任 緒方甫さんの言葉