号泣です

毎日コツコツ(霜鳥)

2011年05月11日 10:53

大学時代の同級生仲間で、1年の時から付き合ってるカップルがいました。


仲良しで、でも二人だけの世界を作ってるわけじゃなく、みんなと仲良くしてました。


私は女の方の一番の友達だったんだけど、彼氏とも仲良くしてたわけです。


大学を卒業しても交流があったし、何度か会った時も二人は一緒で、


本当に仲良しだなァって思ってたわけです。


最後に3人で会った時、「結婚しないの?」って聞いたら、


「うん、まあね・・・。」とお茶を濁す様な返事。


その後、彼女が病気だった事がわかって入院して、


彼は仕事の行きと帰りに欠かさず彼女のお見舞いしてました。


私も何度も行きました。


病名は水頭症(脳腫瘍の一種?)でした。


結局、治療も空しく、彼女はこの世の人ではなくなってしまったんです・・・。


私たちが25歳の夏でした。


お通夜と告別式の手伝いに行った時、喪服を着てチョコンと座ってタバコを吸っている彼に、


「・・・なんて言って良いか、わかんないよ・・・。」


と泣きながら私は言いました。


すると彼は、


「そうだね。でも、これでアイツが他の誰の物にもなら無い事が決まったしね。」


と、ニッコリと笑顔で言いました。


私は耐えられなくて号泣。


それでも彼は殆ど無表情で、まあまあと私の肩を抱いてくれました。


出棺の時、


「これが最後のお別れです。」


って式場の人が言った途端、


彼は耐え切れなくなって、


崩れるようにボロボロと涙を流し始めました。


子どもの様に、大きな声をあげて。


その姿を見て、またしても私は号泣でした。


数日後、少し落ち着いてから、彼と会いました。


見て欲しい物があるって。


それは彼女が昏睡して意識を失う前に書いた、最後の手紙だったんです。


彼が、


「俺はね、アイツを励まそうと思って、『結婚しようよ。』って言ったんだ。


そうしたら、アイツは


『病気が治ったら結婚届けを出そうね。』


って言ってた。


俺は『間違いなく治るからさ』って励まして、役所に行って結婚届け貰ってきた。


でも俺は本当はもう無理だって知ってたんだ。


でも励ましたかったんだ。


アイツが死んだ日に、アイツのお父さんが黙ってこれを渡してくれた。」


と言って、私に手紙を渡してくれました。


中には見慣れた彼女の筆跡でこう書いてありました。


「うそつき。


でも凄く嬉しかった。


本当にそうなったらなって何度も思いました。


私にはあなたの代わりはもう見つからない。


だから私はずっとあなたの物。


だけどあなたの代わりはいるんだよ。


気にしないで良いからね。


落ち込んだあなたを、きっと一番励ましてくれるだろう人が誰なのかは、わかってるから。


その人にこの手紙を見せてあげて下さい。


本当にありがとうございました。


じゃあね!」


って。


私はその手紙を見て、人前なのにまたしてもボロボロに号泣してしまって。


彼が、「それは多分、君の事なんじゃないか?」って。


うん。


私は前から彼が好きだった。


あれからずーっと引きずってる彼と仲良くして4年。


今度結婚します。


_______


「魂が震える話」より
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